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経営戦略 とは、企業が持続的な競争優位を確立し、目標を達成するための方針や計画です。経営戦略は 3つの階層 で構成されます。
| 階層 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 全社戦略(企業戦略) | 企業全体の方向性。どの事業に資源を配分するか | 多角化、M&A、撤退 |
| 事業戦略(競争戦略) | 個々の事業でどう競争に勝つか | コストリーダーシップ、差別化 |
| 機能別戦略 | 各部門(営業・製造・人事等)の戦略 | マーケティング戦略、人材戦略 |
戦略策定には 外部環境分析 と 内部環境分析 が必要です。
SWOT 分析 は、企業の内部環境と外部環境を4つの視点で整理するフレームワークです。
| プラス要因 | マイナス要因 | |
|---|---|---|
| 内部環境 | Strength(強み) | Weakness(弱み) |
| 外部環境 | Opportunity(機会) | Threat(脅威) |
SWOT のクロス分析では、4つの要素を組み合わせて戦略を導きます。
| 組み合わせ | 戦略の方向性 |
|---|---|
| 強み × 機会 | 強みを活かして機会をつかむ(積極攻勢) |
| 強み × 脅威 | 強みで脅威を回避・克服する(差別化) |
| 弱み × 機会 | 弱みを克服して機会を逃さない(改善・強化) |
| 弱み × 脅威 | 損害を最小限に抑える(撤退・縮小) |
具体例(コンビニ大手): 強み(全国数万店舗の店舗網)× 機会(EC市場の拡大)= 全国の店舗をオンライン注文の受け取り拠点として活用し、ラストワンマイル配送の強みに変える(積極攻勢の戦略)。
PEST 分析 はマクロ環境を4つの視点で分析します。
| 要素 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| Political(政治) | 法規制、税制、政策 | 個人情報保護法改正 |
| Economic(経済) | 景気、金利、為替 | 円安による原材料高騰 |
| Social(社会) | 人口動態、ライフスタイル | 少子高齢化、リモートワーク |
| Technological(技術) | 技術革新、特許 | AI技術の進歩 |
ファイブフォース分析 はマイケル・ポーターが提唱した業界の競争状態を分析するフレームワークです。業界の収益性を左右する構造的要因を漏れなく分析するために、5つの競争圧力(フォース)を網羅的に捉えます。
| 力(フォース) | 内容 |
|---|---|
| 既存企業間の競争 | 同業他社との競争の激しさ |
| 新規参入の脅威 | 新たな競合が参入するリスク |
| 代替品の脅威 | 既存の製品・サービスに代わるものが登場するリスク |
| 買い手の交渉力 | 顧客が価格や品質に対して持つ影響力 |
| 売り手の交渉力 | 仕入先が価格や供給条件に対して持つ影響力 |
バリューチェーン(価値連鎖) は、企業活動を 主活動 と 支援活動 に分解し、どの活動で付加価値を生み出しているかを分析するフレームワークです。ポーターが提唱しました。
| 分類 | 活動 |
|---|---|
| 主活動 | 購買物流 → 製造 → 出荷物流 → マーケティング・販売 → サービス |
| 支援活動 | 全般管理、人事・労務管理、技術開発、調達活動 |
各活動のコストと付加価値を分析し、自社の 強みとなる活動 を特定します。コア以外の活動はアウトソーシングする判断にも活用されます。
ポイント
経営戦略は全社戦略 → 事業戦略 → 機能別戦略の3階層。SWOT 分析は内部(強み・弱み)× 外部(機会・脅威)で戦略を導く。PEST 分析はマクロ環境、ファイブフォース分析は業界の競争状態を分析する。バリューチェーンは企業活動を分解して付加価値の源泉を特定する。試験では「SWOT の4要素に該当する具体例の分類」と「PEST とファイブフォースの使い分け(マクロ環境 vs 業界分析)」が問われやすい。
用語
マイケル・ポーターは、競争優位を確立するための基本戦略を3つに分類しました。
| 戦略 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| コストリーダーシップ戦略 | 業界で最も低いコストを実現して競争優位を得る | 大量生産、規模の経済 |
| 差別化戦略 | 他社にない独自の価値を提供して競争優位を得る | ブランド力、技術力、デザイン |
| 集中戦略 | 特定の市場セグメントに経営資源を集中する | ニッチ市場への特化 |
コストリーダーシップと差別化を同時に追求すると、どちらも中途半端になる スタック・イン・ザ・ミドル(stuck in the middle) に陥るリスクがあります。コスト削減のための大量生産・標準化と、差別化のための独自性・品質向上は投資の方向が矛盾するため、両方を追いかけると経営資源が分散し、どちらの強みも発揮できなくなるのです。ただし、IT の活用によって低コストと差別化を両立する企業も現れています。
PPM は、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)が開発した事業ポートフォリオ分析のフレームワークです。市場成長率(縦軸)と 相対的市場占有率(市場シェア) (横軸)の2軸で事業を4象限に分類します。
| 象限 | 市場成長率 | 市場シェア | 特徴 | 戦略 |
|---|---|---|---|---|
| 花形(Star) | 高 | 高 | 成長市場のリーダー。資金流入も大きいが投資も必要 | 積極投資で地位を維持 |
| 金のなる木(Cash Cow) | 低 | 高 | 成熟市場のリーダー。少ない投資で大きな利益 | 利益を他の事業に投資 |
| 問題児(Question Mark) | 高 | 低 | 成長市場だがシェアが低い。大きな投資が必要 | 花形に育てるか撤退か判断 |
| 負け犬(Dog) | 低 | 低 | 成熟市場でシェアも低い。利益も少ない | 撤退・縮小を検討 |
問題児の判断基準: 問題児は市場が成長しているためチャンスはあるが、シェアが低いため大きな投資が必要です。花形に育てるか撤退するかは、市場の将来性と投資対効果で判断します。金のなる木から得た利益を問題児に投資し、花形に成長させるのが PPM の基本的な資源配分の考え方です。
| 概念 | 説明 |
|---|---|
| M&A | 企業の合併(Merger)と買収(Acquisition)。事業拡大や技術獲得の手段 |
| アライアンス(戦略的提携) | 企業間の業務提携。資本関係なしで協力する場合も含む |
| アウトソーシング | 自社の業務の一部を外部に委託すること |
| コアコンピタンス | 他社に模倣されにくい自社の中核的な能力・強み |
| ベンチマーキング | 優良企業の業務プロセスを分析し、自社の改善に活かす手法 |
| 規模の経済 | 生産量の増加に伴い、単位あたりのコストが低下する効果 |
コアコンピタンス はプラハラードとハメルが提唱した概念で、以下の3条件を満たします。
ポイント
ポーターの3つの基本戦略はコストリーダーシップ・差別化・集中。PPM は市場成長率(縦軸)と相対的市場シェア(横軸)の2軸で事業を花形・金のなる木・問題児・負け犬に分類する。金のなる木で得た利益を問題児や花形に投資するのが基本的な資源配分の考え方。試験では「PPM の4象限の特徴と適切な戦略の組み合わせ」が頻出。縦軸=市場成長率、横軸=相対的市場シェアという軸の定義を正確に覚えること。
用語
マーケティング とは、顧客のニーズを満たす製品やサービスを提供し、企業の目標を達成するための活動全体を指します。「売れる仕組みを作ること」とも言い換えられます。
マーケティング戦略の基本は STP 分析 です。
| ステップ | 内容 | 具体例 |
|---|---|---|
| Segmentation(市場細分化) | 市場を共通の特性でグループに分ける | 年齢層、地域、ライフスタイル |
| Targeting(標的市場の選定) | どのセグメントを狙うか決める | 20代のスマホユーザー |
| Positioning(位置づけ) | 競合との差別化ポイントを明確にする | 「低価格 × 高品質」 |
セグメンテーションの基準には 地理的変数(地域・気候)、人口統計的変数(年齢・性別・所得)、心理的変数(ライフスタイル・価値観)、行動変数(購買頻度・ブランドロイヤルティ)があります。
マーケティングミックス(4P) は、マーケティング施策を4つの視点で整理するフレームワークです。
| 要素 | 視点 | 内容 |
|---|---|---|
| Product(製品) | 何を売るか | 品質、デザイン、ブランド、機能、保証 |
| Price(価格) | いくらで売るか | 定価、割引、支払条件、価格戦略 |
| Place(流通) | どこで売るか | 販売チャネル、物流、在庫管理 |
| Promotion(販促) | どう知らせるか | 広告、PR、セールスプロモーション、SNS |
4P は企業側の視点ですが、顧客側の視点として 4C(Customer value / Cost / Convenience / Communication)もあります。
CRM(Customer Relationship Management / 顧客関係管理) は、顧客との長期的な関係を構築・維持して、生涯にわたる取引価値(LTV: Life Time Value)を最大化する手法です。
CRM に関連する概念として以下があります。
| 概念 | 説明 |
|---|---|
| LTV | 顧客が取引期間全体で企業にもたらす利益の合計 |
| One to One マーケティング | 個々の顧客に合わせたパーソナライズされた対応 |
| RFM 分析 | Recency(最終購買日)・Frequency(購買頻度)・Monetary(購買金額)で顧客を分類 |
プロダクトライフサイクル は、製品が市場に投入されてから衰退するまでの過程を4段階で表したモデルです。
| 段階 | 特徴 | マーケティング戦略 |
|---|---|---|
| 導入期 | 売上は少なく、認知度が低い | 広告宣伝で認知度向上、初期投資が大きい |
| 成長期 | 売上が急速に増加、競合も参入 | シェア拡大、製品差別化 |
| 成熟期 | 売上の伸びが鈍化、競争が激化 | コスト削減、ブランド強化 |
| 衰退期 | 売上が減少、市場が縮小 | 撤退判断、残存者利益の獲得 |
実例で見るライフサイクル: フィーチャーフォン(ガラケー)は衰退期にあたり、市場は大幅に縮小しています。一方、スマートフォンは成熟期に入り、売上の伸びは鈍化しつつも安定した市場規模を維持しています。
ポイント
マーケティング戦略は STP(市場細分化 → 標的選定 → 位置づけ)で立案し、4P(Product・Price・Place・Promotion)で実行する。CRM は顧客との長期関係の構築が目的で LTV の最大化を目指す。プロダクトライフサイクルは導入期 → 成長期 → 成熟期 → 衰退期の4段階。試験では「4P の各要素に該当する施策の分類」と「プロダクトライフサイクルの各段階の特徴」が問われやすい。
用語
技術を経営に活かすための考え方を学びます。IT パスポート試験では MOT(技術経営) やイノベーションに関する出題が増えています。
MOT(Management of Technology / 技術経営) とは、技術的な強みを事業の成果に結びつけるための経営手法です。
| 概念 | 説明 |
|---|---|
| MOT | 技術を核とした経営戦略。研究開発から事業化までを管理 |
| 死の谷(Valley of Death) | 研究成果が事業化に至る前の資金・人材が不足する段階 |
| ダーウィンの海 | 事業化した製品が市場で淘汰される段階 |
| 魔の川 | 基礎研究から応用研究に移行する際の壁 |
技術の事業化プロセスには3つの壁があります。
| 壁 | 位置 | 課題 |
|---|---|---|
| 魔の川 | 基礎研究 → 応用研究 | 実用的な技術への転換 |
| 死の谷 | 応用研究 → 事業化 | 資金調達、プロトタイプ開発 |
| ダーウィンの海 | 事業化 → 市場定着 | 市場競争での生き残り |
イノベーション は、新たな価値を創造し、社会に変革をもたらすことです。
| 種類 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 持続的イノベーション | 既存製品の改良・改善 | スマートフォンの年次アップデート |
| 破壊的イノベーション | 既存市場の常識を覆す新技術・ビジネスモデル | サブスクリプション型動画配信 |
| プロセスイノベーション | 生産工程や業務プロセスの革新 | 工場の自動化 |
| プロダクトイノベーション | 新製品・新サービスの開発 | 電気自動車 |
破壊的イノベーション はクレイトン・クリステンセンが提唱した概念で、最初は性能が低い安価な製品が、やがて既存の高性能製品を市場から駆逐するパターンを指します。
イノベーションのジレンマ とは、優良企業が既存の顧客ニーズに応え続けた結果、破壊的イノベーションへの対応が遅れて市場を失う現象です。
具体例: フィルムカメラ業界のトップ企業は、既存顧客の「より高画質なフィルム」というニーズに応え続けた結果、デジタルカメラという破壊的技術への対応が遅れました。既存の収益源であるフィルム事業を自ら否定できなかったことが、市場を失った原因です。
技術のS字カーブ は、技術の成熟度が時間とともにS字型に推移するモデルです。
| フェーズ | 説明 |
|---|---|
| 導入期 | 投資に対して性能向上が緩やか |
| 成長期 | 急速に性能が向上する |
| 成熟期 | 性能向上が鈍化し、限界に近づく |
技術が成熟期に達すると、次の技術のS字カーブに乗り換える 技術の不連続性 が発生します。この転換点を見極めることが MOT の重要な課題です。
デザイン思考 は、ユーザーの視点から課題を発見し、解決策を創出するアプローチです。
| ステップ | 内容 | 具体例 |
|---|---|---|
| 共感(Empathize) | ユーザーを観察し、ニーズを深く理解する | 高齢者がスマホ操作で困っている場面を観察する |
| 問題定義(Define) | 真の課題を明確にする | 「文字が小さい」ではなく「操作に自信が持てない」が本質的課題 |
| 創造(Ideate) | 多くのアイデアを発想する | 音声操作・大きなボタン・ガイド付きUIなどを幅広く発想 |
| プロトタイプ(Prototype) | アイデアを形にする | 紙の模型やワイヤーフレームで素早く試作 |
| テスト(Test) | ユーザーに試してもらい、フィードバックを得る | 実際に高齢者に使ってもらい改善点を発見する |
オープンイノベーション は、自社だけでなく外部の知識・技術・アイデアを活用してイノベーションを推進する手法です。ヘンリー・チェスブロウが提唱しました。
| 比較 | クローズドイノベーション | オープンイノベーション |
|---|---|---|
| 研究開発 | 自社内で完結 | 外部と連携 |
| 知財の考え方 | 独占的に保護 | 必要に応じて公開・共有 |
| スピード | 遅い | 速い |
| コスト | 高い | 分散できる |
オープンイノベーションの具体例として、大企業がスタートアップと協業する CVC(Corporate Venture Capital)、アイデアを広く募る クラウドソーシング、技術を公開する オープンソース などがあります。
ポイント
MOT は技術を事業成果に結びつける経営手法。技術の事業化には魔の川・死の谷・ダーウィンの海の3つの壁がある。破壊的イノベーションは既存市場の常識を覆す革新。技術のS字カーブは導入→成長→成熟のパターンで、次の技術への乗り換えが重要。デザイン思考はユーザー視点の課題解決アプローチ。試験では「魔の川・死の谷・ダーウィンの海がそれぞれどの段階の壁か」と「持続的イノベーションと破壊的イノベーションの違い」が問われやすい。
用語