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プロジェクト とは、特定の目的を達成するために実施される 一時的な 活動です。日常的に繰り返される定常業務(オペレーション)とは異なり、「開始と終了がある」「独自の成果物を生み出す」という特徴を持ちます。
| 比較項目 | プロジェクト | 定常業務 |
|---|---|---|
| 期間 | 有期(開始と終了がある) | 継続的 |
| 目的 | 独自の成果物を生み出す | 日常業務を安定して遂行 |
| 例 | 新システム構築、新製品開発 | 経理処理、受注管理 |
プロジェクトマネジメント とは、プロジェクトの目標を達成するために、スコープ・スケジュール・コスト・品質・リスクなどを計画・実行・管理することです。
PMBOK(Project Management Body of Knowledge) は、プロジェクトマネジメントの国際的な標準ガイドです。PMI(Project Management Institute)が策定し、10の知識エリアを定義しています。
| 知識エリア | 主な内容 |
|---|---|
| 統合管理 | プロジェクト全体の調整・意思決定。プロジェクト憲章の作成 |
| スコープ管理 | 作業範囲の定義と管理。WBS の作成 |
| スケジュール管理 | 工程の計画と進捗管理。ガントチャート、クリティカルパス |
| コスト管理 | 予算の見積もり・配分・管理。EVM |
| 品質管理 | 成果物の品質基準の設定と品質保証 |
| 資源管理 | 人的資源・物的資源の確保と配分 |
| コミュニケーション管理 | ステークホルダーへの情報伝達 |
| リスク管理 | リスクの特定・分析・対応計画 |
| 調達管理 | 外部からの物品・サービスの調達 |
| ステークホルダー管理 | 利害関係者の特定と関与の管理 |
プロジェクト憲章 は、プロジェクトの正式な開始を承認する文書です。以下の内容を含みます。
ステークホルダー分析 では、プロジェクトに関わるすべての利害関係者を特定し、その影響力と関心度を評価します。
| 影響力\関心度 | 関心が高い | 関心が低い |
|---|---|---|
| 影響力が大きい | 密接に管理する | 満足度を維持する |
| 影響力が小さい | 情報を提供する | 最小限の対応 |
プロジェクトの組織形態は、企業の構造によって異なります。
| 組織形態 | 特徴 | PM の権限 |
|---|---|---|
| 機能型組織 | 既存の部門(営業・開発など)の中でプロジェクトを実施 | 弱い(部門長が権限を持つ) |
| マトリクス型組織 | 機能部門に所属しながらプロジェクトにも参加する二重の報告構造 | 中程度(機能部門長と PM で権限を分担) |
| プロジェクト型組織 | プロジェクト専任のチームを編成。メンバーはプロジェクトに専念 | 強い(PM が全権限を持つ) |
マトリクス型組織 はさらに弱いマトリクス・バランスマトリクス・強いマトリクスに細分化されます。PM の権限が強いほどプロジェクトの意思決定が迅速になりますが、組織の柔軟性は低下する傾向があります。
ポイント
プロジェクトは「有期」で「独自の成果物」を生む活動。PMBOK は10の知識エリア(統合・スコープ・スケジュール・コスト・品質・資源・コミュニケーション・リスク・調達・ステークホルダー)を定義。プロジェクト憲章はプロジェクトの正式な開始を承認する文書。組織形態は機能型・マトリクス型・プロジェクト型の3つがあり、PM の権限が異なる。
用語
WBS は、プロジェクトの成果物や作業を階層的に分解した図です。プロジェクト全体を管理可能な単位に分割することで、作業の漏れを防ぎ、見積もりの精度を高めます。
| WBS のレベル | 説明 | 例 |
|---|---|---|
| レベル1 | プロジェクト全体 | ECサイト構築 |
| レベル2 | 主要な成果物・フェーズ | 要件定義、設計、開発、テスト |
| レベル3 | サブ成果物・作業パッケージ | 画面設計、DB設計、API設計 |
| レベル4 | 個別タスク(ワークパッケージ) | 商品一覧画面設計、カート画面設計 |
最下層の ワークパッケージ は、担当者を割り当て、工数と期間を見積もれるレベルまで分解します。
ガントチャート は、作業項目を縦軸に、時間を横軸にとり、各作業の開始日・終了日・進捗を棒グラフで表すスケジュール管理ツールです。
| 特徴 | 説明 |
|---|---|
| 視覚的 | 各作業の期間と重なりが一目で分かる |
| 進捗管理 | 予定と実績を並べて進捗を把握できる |
| 依存関係 | 作業間の前後関係を矢印で表現できる |
| 限界 | タスク間の依存関係を視覚的に表現しにくく、クリティカルパスの特定には不向き |
ガントチャートは スケジュールの全体像 を把握するのに適していますが、タスク間の複雑な前後関係や最長経路の把握には アローダイアグラム(ネットワーク図) が適しています。
マイルストーン は、プロジェクトの節目となる重要な時点のことです。作業の完了ではなく、成果物の完成や承認など 意味のある達成点 を設定します。
| マイルストーン例 | 内容 |
|---|---|
| 要件定義完了 | 要件定義書の顧客承認 |
| 設計レビュー完了 | 基本設計書のレビュー通過 |
| コードフリーズ | 機能追加の締切。以降はバグ修正のみ |
| リリース判定 | 本番リリースの Go/No-Go 判断 |
マイルストーンは 工数ゼロ のイベントとして管理され、ガントチャート上ではひし形(◇)で表現されることが多いです。
クリティカルパス とは、プロジェクトの全作業経路のうち、最も時間がかかる経路 のことです。クリティカルパス上の作業が遅れると、プロジェクト全体の完了が遅れます。
| 概念 | 説明 |
|---|---|
| クリティカルパス | 開始から終了まで最長の経路。余裕(フロート)がゼロ |
| トータルフロート | その作業を遅らせてもプロジェクト全体の完了に影響しない余裕日数 |
| フリーフロート | 後続作業の開始に影響を与えずに遅らせられる余裕日数 |
クリティカルパス上の作業は フロートがゼロ であり、重点的に管理する必要があります。クリティカルパスを短縮する方法には以下の2つがあります。
| 手法 | 内容 | トレードオフ |
|---|---|---|
| クラッシング | 人員・資源を追加投入して作業期間を短縮 | コスト増。予算に余裕がある場合に選択 |
| ファストトラッキング | 本来は順番に行う作業を並行して実施 | リスク増(手戻りの可能性)。コストを増やせない場合に選択 |
ポイント
WBS はプロジェクトを階層的に分解し、作業の漏れを防ぐ。ガントチャートは全体像の把握に適するが、依存関係の表現にはアローダイアグラムが必要。クリティカルパス = 最長経路 = フロート0で、全体の最短完了日を決定する。短縮にはクラッシング(コスト増)とファストトラッキング(リスク増)があり、状況に応じて使い分ける。
用語
アローダイアグラム は、作業の順序関係と所要日数を 矢印(アロー) と 結合点(ノード) で表現したネットワーク図です。PERT(Program Evaluation and Review Technique) とも呼ばれ、クリティカルパスの特定に使われます。
| 要素 | 表記 | 説明 |
|---|---|---|
| 作業(アクティビティ) | → | 矢印で表す。矢印の上に作業名、下に所要日数を記載 |
| 結合点(ノード) | ○ | 作業の開始点・終了点。番号を付ける |
| ダミー作業 | ---> | 所要日数ゼロの仮想的な作業。依存関係を正しく表現するために使用(例: 作業CがAとBの両方の完了に依存する場合、ダミー矢印でその依存関係を表す) |
この例では2つの経路があります。
最長経路がクリティカルパスです。この場合はどちらも10日なので、両方がクリティカルパスとなります。
アローダイアグラムの各結合点には 最早結合点時刻 と 最遅結合点時刻 を計算します。
| 用語 | 記号 | 意味 | 計算方法 |
|---|---|---|---|
| 最早結合点時刻 | TE | そのノードに最も早く到達できる時刻 | 前方向に計算。複数の経路がある場合は 最大値 を取る |
| 最遅結合点時刻 | TL | プロジェクト全体を遅らせずにそのノードに到達すべき最も遅い時刻 | 後方向に計算。複数の経路がある場合は 最小値 を取る |
フロート(余裕日数) = TL - TE
フロートがゼロの結合点を結ぶ経路がクリティカルパスです。
先ほどのアローダイアグラムで計算すると:
| ノード | TE(最早) | TL(最遅) | フロート |
|---|---|---|---|
| 1 | 0 | 0 | 0 |
| 2 | 3 | 3 | 0 |
| 3 | 5 | 5 | 0 |
| 4 | 7 | 7 | 0 |
| 5 | 10 | 10 | 0 |
EVM(Earned Value Management) は、プロジェクトの進捗をコストとスケジュールの両面から定量的に測定・管理する手法です。以下の3つの基本指標を使います。
| 指標 | 正式名称 | 説明 |
|---|---|---|
| PV | Planned Value(計画価値) | ある時点までに完了しているべき作業の計画コスト |
| EV | Earned Value(出来高) | ある時点までに実際に完了した作業の計画コスト |
| AC | Actual Cost(実コスト) | ある時点までに実際にかかったコスト |
PV・EV・AC の3つの値から、以下の分析指標を算出します。
| 指標 | 計算式 | 意味 |
|---|---|---|
| SV(スケジュール差異) | EV - PV | 正: 予定より進んでいる / 負: 遅れている |
| CV(コスト差異) | EV - AC | 正: 予算内 / 負: 予算超過 |
| SPI(スケジュール効率指数) | EV / PV | 1超: 予定より進んでいる / 1未満: 遅れ |
| CPI(コスト効率指数) | EV / AC | 1超: 予算内 / 1未満: 予算超過 |
ある時点で PV = 300万円、EV = 250万円、AC = 280万円の場合:
ポイント
アローダイアグラムは作業の順序と所要日数をネットワーク図で表現し、クリティカルパスを特定する。TE は前方向に最大値、TL は後方向に最小値で計算し、フロート = TL - TE がゼロの経路がクリティカルパス。EVM の3指標: PV = 計画値、EV = 出来高、AC = 実コスト。SPI = EV/PV(1未満でスケジュール遅延)、CPI = EV/AC(1未満でコスト超過)。
用語
リスク とは、プロジェクトの目標に影響を与える不確実な事象です。リスクには マイナスのリスク(脅威) だけでなく プラスのリスク(好機) もあります。リスク管理は、リスクを特定・分析し、適切な対応策を講じるプロセスです。
| プロセス | 内容 |
|---|---|
| リスクの特定 | プロジェクトに影響を与えうるリスクを洗い出す(ブレーンストーミング、チェックリスト等) |
| 定性的リスク分析 | リスクの発生確率と影響度を評価し、優先順位をつける |
| 定量的リスク分析 | リスクの影響を数値で見積もる(期待金額価値の算出など) |
| リスク対応計画 | 各リスクへの対応策を決定する |
| リスクの監視・コントロール | リスクの状況を継続的に監視し、必要に応じて対応を実施 |
マイナスのリスク(脅威) に対する4つの戦略があります。
| 戦略 | 説明 | 例 |
|---|---|---|
| 回避 | リスクの原因そのものを排除する | 高リスクの技術を使わず実績ある技術を採用 |
| 転嫁 | リスクの影響を第三者に移す | 保険の加入、業務の外部委託 |
| 軽減 | リスクの発生確率または影響度を下げる | テスト工程を増やす、レビューを強化 |
| 受容 | リスクを認識した上で何もしない | 影響が軽微なリスクは予備費で対応 |
期待金額価値(EMV) = 発生確率 × 影響額
| リスク | 発生確率 | 影響額 | EMV |
|---|---|---|---|
| 主要メンバーの離脱 | 20% | 500万円 | 100万円 |
| 外注先の納期遅延 | 40% | 200万円 | 80万円 |
| 仕様変更の発生 | 60% | 100万円 | 60万円 |
EMV の合計を コンティンジェンシー予備(予備費) として予算に組み込みます。
プロジェクトにおける品質管理は、成果物の品質 と プロセスの品質 の両方を対象とします。
| 活動 | 内容 |
|---|---|
| 品質計画 | 品質基準と達成方法を決定する |
| 品質保証(QA) | プロセスが品質基準に従っているか確認する(予防的)。開発プロセス全体を通じて継続的に実施 |
| 品質管理(QC) | 成果物が品質基準を満たしているか検査する(検出的)。レビューやテストなど成果物の検査時に実施 |
品質管理の7つ道具(QC7つ道具)は、品質問題の分析に用いる基本ツールです。
| ツール | 用途 |
|---|---|
| パレート図 | 問題の原因を重要度順に棒グラフと累積曲線で表示。80:20の法則(例: バグの80%は20%のモジュールに集中 → そのモジュールを重点テスト) |
| 特性要因図(魚骨図) | 結果(特性)とその原因(要因)の関係を魚の骨のような図で分析 |
| ヒストグラム | データの分布状況を棒グラフで表示 |
| 散布図 | 2つの変数の相関関係を点の分布で表示 |
| 管理図 | 品質データの時系列変化を監視。管理限界線を超えたら異常 |
| チェックシート | データを簡単に記録・集計するための表 |
| 層別 | データをグループに分けて分析 |
プロジェクトの品質管理にも PDCA サイクル が適用されます。
| フェーズ | 品質管理での内容 |
|---|---|
| Plan | 品質基準・検査方法・許容範囲を計画 |
| Do | 計画に基づいて成果物を作成 |
| Check | レビュー・テストで品質を検査 |
| Act | 不適合があれば原因を分析し改善策を実施 |
また、プロジェクトの見積もり手法も試験で頻出です。
| 見積もり手法 | 説明 |
|---|---|
| ファンクションポイント法 | 機能の数と複雑度から工数を見積もる |
| 類推見積もり | 過去の類似プロジェクトの実績をもとに見積もる |
| ボトムアップ見積もり | WBS の最下層から積み上げて見積もる |
| 三点見積もり | 楽観値・最頻値・悲観値の加重平均で見積もる。計算式:(楽観+4×最頻+悲観)÷6。最頻値に重み4を置くのはベータ分布に基づく統計的手法で、最も起こりやすい値を中心に楽観・悲観を端として平均を算出する |
ポイント
リスク対応戦略は「回避・転嫁・軽減・受容」の4つ。定量的リスク分析では EMV(発生確率×影響額)を算出し予備費を確保する。品質管理では QA(予防的)と QC(検出的)を区別する。QC7つ道具のパレート図・特性要因図・管理図は特に重要。見積もり手法ではファンクションポイント法と三点見積もりが頻出。
用語